Q4 代表民主制とは何ですか?1人1票とどういう関係にありますか?
A4 代表民主制とは、国民が代表者を選んで、個々の政治的な判断をその人に委ねる民主主義のタイプです。国民の代表者を選ぶ選挙では、1人1票が求められます。
何にどれだけ税金を使うか、どういう法律や条例を作るかという政治的な問題を、人々の意思によって決めるのが民主主義です。ただ、日本では、国の政治にしろ地方の政治にしろ、個々の政治問題を人々が直接決めるわけではありません。個々の政治問題は、国の場合であれば、衆議院議員選挙や参議院議員選挙を行うときに、有権者が投票して、多数決で選ばれた議員に任されているのです。このようなしくみを代表民主制とよびます。代表者である国会議員は、国会で多数決によって政治的な物事を決めていきます。内閣総理大臣も国会の多数決で指名されます。そうして選ばれた内閣総理大臣が国務大臣を選んで内閣を作ります。その内閣が最高裁判所の裁判官を選ぶのです。このようにして、国会、内閣、裁判所を誰に任せるかということについて国民の意思を反映させていくのが日本の国の民主主義なのです。
このような日本の民主主義がきちんと働いているといえるためには、そもそも、国民の代表者である国会議員の選挙が、1人1票のルールをしっかり守って行われなければなりません。そうでないと、国会が内閣総理大臣を選ぶのも、内閣が最高裁判所の裁判官を選ぶのも、裁判所が違憲審査を行うのも、少数派の国民の意思で行われていることになり、民主主義も国民主権もきちんと働いていないことになるからです。