Q5 「1人1票」でない今の日本では、どのように国の政策が決められているのでしょうか?
A5 「1人1票」でない今の日本では、全国民の少数が、国民の代表者である国会議員の多数を選んでしまっています。
たとえば、衆議院では、約45%の有権者が、全衆議院議員の多数(241名)*1を選んでしまっています。Q4でもお話ししたとおり、日本は代表民主制を採っています。そして、Q3でもお話ししたとおり、民主主義の下での意思決定は、多数決が絶対ルールです。したがって、現在の日本では、全体の約45%でしかない有権者により選ばれた国会議員が、全ての政策につき、多数決で決めていることになります。
参議院選挙では、もっとひどくて、全体の40%の有権者が、全参議院議員の過半数(122名)*2を選出しています。
少数(衆議院では全有権者の約45%、参議院では全有権者の40%)から選ばれた国会議員が、国の政策についての全ての意思決定を行っているということは、国民の少数の意思によって全ての意思決定を行っていることになり、国民の多数で意思決定を行っているとは言えません。したがって、今の日本は、民主主義国家ではありません。
*1衆議院議員の数:小選挙区選出議員(300名)と比例区選出議員(180名)の合計=480名
*2参議院議員の数:選挙区選出議員(146名)と比例区選出議員(96名)の合計=242名